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fx羅針盤 ドル円

fx羅針盤 ドル円

こうした中、名目実効為替レートで見てもドルと円の力関係は拮抗しており、ドル円相場は一方向の大きなトレンドを描きにくくなっている。当面は105─110円のレンジを大きくは超えない範囲で、安定した相場になるのではないか。

今後、新たな水準で日米金利差とドル円の相関性が回復した場合、短期的には名目金利差、中長期には実質金利差の順番で相場に影響を及ぼすと予想する。一方、「量」の問題はさほど影響しないのではないか。

リーマン・ショックの際にも、FRBが資金供給量を増やしたからというより、膨大な債券購入によって長期金利が急低下したからこそドル安が加速し、ドル円の暴落につながった可能性が高い。しかし、すでに足元では米長期金利の水準が当時に比べて圧倒的に低い。米10年債利回りは3月以降、1.0%割れの状況が続いている。FRBが資産規模をいくら拡大させたところで、日米長期金利差の急速な縮小は期待できそうにないところまで来ている。市場は期待で動くため、今後さらなる金利差の縮小が見込めないのであれば、ドル円は大幅には下落しにくいだろう。

今回の会見だけでは判断しづらいものの、米国の名目金利が低水準で維持される(結果として実質金利が低下する)ような政策が今後導入される、あるいはその期待が市場で高まるようなら、株価など資産価格は上昇する一方、ドルの価値は一段と下落する公算が大きい。もっとも、その際には株価の上昇と相まって、「リスクオンの円安」ともなるため、1ドル=100円を割り込むような大暴落にはなりにくいだろう。

ただ、FRBがかつてない領域に踏み込むのを見るにつけ、将来に対しては一抹の不安がよぎる。13年5月、当時FRBの議長だったバーナンキ氏が、債券購入のペースを緩める(量的緩和縮小、テーパリング)を突然示唆したことで、翌月にかけて米株価が急落し、ドル/円も103円台から93円台へ下落した。金融市場ではこれを、かんしゃくを意味するテンパー・タントラムをもじり、「テーパー・タントラム」と呼んでいる。